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販売管理システムの導入事例7選|流通・小売・卸売の課題別に解説

販売管理システム

販売管理システムの導入事例は、自社に近い企業がどの課題をどう解決したかを知る手がかりになります。製品の機能一覧を並べて比べるだけでは、自社の業務に合うかどうかまでは判断できません。

とくに流通・小売・卸売では、得意先ごとの単価設定や複雑な受発注のように、業種特有の要件が導入の成否を左右します。本記事では、公開されている販売管理システムの導入事例7件と、事例を自社の検討に生かす見方を、システム刷新を検討するご担当者に向けて解説します。自社の課題と重ねながら読み進めてください。

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販売管理システムの導入事例7選

ここでは、流通・小売・卸売を中心に、公開されている導入事例を7件紹介します。まず全体像を整理します。

企業 業種 規模 主な課題 導入後の変化
クラウン製パン パン製造・給食 350名 受注データの手入力に2名で8時間 入力作業が30分に短縮
共和工機 機械工具卸 100名以下 売上と仕入が連携せず在庫が不明 受発注業務の時間を15%削減
シーマン 医療機器卸 ― 在庫管理が不十分で欠品が発生 月70時間の業務削減
ハヤシ 管工機材卸 100名以下 配送計画の作成に手間 配送状況をリアルタイムで把握
島村楽器 楽器小売 146拠点 売上と在庫の把握に時間 全店舗のデータを即時確認
ヤマト 文具事務用品製造・卸 90名 得意先ごとの複雑な単価設定 既存の価格ルールのままシステム化
ミートピアサヌキ 精肉小売 101〜300名 端末が1台で月末に順番待ち 複数端末から同時に処理

受注データの取り込みで入力作業を30分にしたパン製造業

北九州で学校給食用パンを手がけるクラウン製パンは、毎日数万食分の受注管理に追われていました。同社が使っていた給食オーダーシステムは、データのインポートもエクスポートもできない仕組みでした。

約200校分の発注データを扱う同社では、旧システムへの入力作業に従業員2名が1日8時間を費やしていました。発注数が確定するのは納品の4日前で、原材料の手配を考えると入力に丸1日かけては余裕がありません。

しかし、新システムでは自治体側から受け取ったCSVデータをそのまま取り込む方式へ変わり、入力作業は30分に短縮されています。

配送用ラベルの作成も大きく変化がありました。毎日3,000〜5,000枚のラベルに宛先を手書きで転記していた作業は、データ出力と印刷だけで完結し、4〜5時間かかっていた工程が10分程度で終わっています。

出典:受発注業務の手入力・転記の手間を解消|クラウン製パン株式会社 導入事例|大塚商会

売上と仕入をつないで在庫を見える化した機械工具卸

機械工具商社の共和工機では、旧システムで売上データと仕入データが連携しておらず、在庫管理ができない状態が続いていました。ムダな仕入れが発生しても、その事実を数字で確認する手段がありません。

同社は販売管理システムを刷新し、あわせてEDI連携の基盤を整えました。その結果、受発注業務にかかる時間を15%削減し、在庫の見える化によってムダな仕入れの抑制にもつなげています。

分析機能の活用も進んでいる部分です。営業担当者はリアルタイムで自分の実績を確認でき、週次の営業会議でも使われています。売上を伸ばす側の使い道まで想定して選ぶと、投資の回収も見通しやすくなるはずです。

出典:『SMILE V 販売』で在庫の“見える化”を実現|共和工機株式会社 導入事例|大塚商会

EC連携で見積作成の負担を減らした医療機器卸

医療機器卸のシーマンでは、グループ会社とシステムが連携しておらず、両社で同じ作業が二重に発生していました。在庫管理も十分ではなく、欠品が起きやすい状態が続いていました。

同社は基幹システムとBtoB向けECシステムを組み合わせて導入しました。自社での発注処理がグループ会社側の受注データとして自動生成される仕組みにより、月70時間の業務削減を実現しています。発注点を商品ごとに設定したことで、欠品による機会損失も防げるようになり、コストの削減にも成功しています。

出典:医療機器卸業のシーマン様が「アラジンオフィス」と「アラジンEC」を導入|株式会社アイル

受注データと配送計画をつないだ管工機材卸

管工機材や住宅設備機器を扱うハヤシは、配送業務の効率化を課題としていました。配送計画の作成やドライバーへの指示に手間がかかり、走行中の状況も把握できていませんでした。

同社は販売管理システムの受注データを動態管理システムと連携させました。配送計画の作成と指示が効率化されただけでなく、全ドライバーの配送状況をリアルタイムで確認できる体制が整っています。

同社は今後、電話やFAXに加えてWeb注文にも対応し、商品情報の一元管理を進める計画です。段階的に範囲を広げていく進め方は、現場の負担を抑えるうえでも参考になります。

出典:煩雑な配送管理業務の効率向上を実現|株式会社ハヤシ 導入事例|大塚商会

全店舗のデータを即時に把握できるようにした楽器小売業

楽器販売と音楽教室を展開する島村楽器では、店舗データをバッチ処理していたため、売上と在庫の把握に時間がかかっていました。1店舗あたり数千点の商品を扱い、新品に加えて中古楽器の下取りや修理まで手がけるため、在庫管理の負担も大きい状態です。

同社が新システムに求めたのは、売上や在庫数量だけでなく在庫金額まで算出でき、全店舗のデータをリアルタイムで確認できることでした。導入後は店舗の状況を即時に把握でき、経営判断のスピードも上がりました。在庫が一定量を下回ると発注勧告が出る機能もあり、欠品の防止に役立つ仕組みです。

店舗での接客にも変化がありました。以前は自店に在庫がなければ他店へ電話をかけて確認していたものの、現在は全店舗の在庫をその場で確認できます。多店舗を運営する小売業なら、本部と店舗が数字をいつ見られるかを選定の前に整理しておきましょう。

出典:島村楽器株式会社様|FutureStage 小売業向けシステム|株式会社日立システムズ

複雑な単価ルールをそのまま再現した文具卸

文具事務用品を製造・販売するヤマトは、メーカーでありながら仕入れ商材の販売という商社的な機能も担う企業です。得意先は問屋から小売店、通販業者まで幅広く、同一商品でも卸先によって仕切り価格を変えるため、価格の設定と管理が煩雑になっていました。

同社では、ベンダーが価格決定ルールを詳細にヒアリングし、それをシステム設定へ反映する形で対応しました。既存の仕組みを変えずにシステム化できた点が、同社にとって大きな成果です。帳票については、データベース構造が公開されていたため、自社側でレイアウトを変更できる体制を築いています。項目を1つ追加するたびにベンダーへ依頼する必要が失くなったのも、システム導入のメリットといえるでしょう。

出典:ヤマト株式会社様|FutureStage 卸売業向け販売管理システム|株式会社日立システムズ

クラウド化で端末の順番待ちを解消した精肉小売業

香川県で讃岐牛を扱う精肉専門店のミートピアサヌキは、店頭販売に加えて卸売業務も手がける事業者です。販売管理ソフトが入ったPCは1台のみで、月末に請求書を発行する日は締め処理が終わるまで順番待ちが発生する状態でした。

同社はクラウド型の販売管理システムを導入し、複数の端末から同時にアクセスできる環境を整えます。PCの順番待ちが解消され、月末に業務が滞ることもなくなりました。バージョンアップも提供元にまかせられるため、更新作業の手間はかかりません。ドットインパクトプリンターで出力するオリジナル帳票など、個別のカスタマイズにも対応しました。

出典:ミートピアサヌキ|導入事例|クラウド販売管理システム FLAM

導入事例に共通する効果

7件の事例を並べると、業種が違っても似た効果が現れています。ここでは代表的な3つを取り上げます。

  • 転記と二重入力がなくなる
  • 売上と在庫をリアルタイムで把握できる
  • 業務の属人化が解消する

転記と二重入力がなくなる

販売管理システムの導入に共有するのが、転記作業の削減です。クラウン製パンの受注入力やラベル作成、シーマンのグループ会社間の重複処理は、いずれもデータの自動連携によって解消しています。

転記が減ると、時間だけでなく入力ミスも同時に減ります。受注数量の誤りは欠品や過剰在庫に直結するため、金額に表れにくい効果も見込めるはずです。自社でどれだけの転記が発生しているかは、担当者に1日の作業を書き出してもらうと把握しやすくなります。

売上と在庫をリアルタイムで把握できる

売上と在庫を即時に確認できる点も、複数の事例に共通しています。島村楽器は全店舗のデータを、共和工機は在庫の状況を、それぞれ導入後に把握できるようになりました。

売上と在庫のリアルタイム把握により、判断の質も向上します。月次でしか粗利がわからない状態と、日々の数字を見られる状態とでは、対策を打てる速さが変わります。とくに商品の入れ替わりが速い流通・小売業では、数字が届くまでの時間そのものが機会損失を減らせるでしょう。

業務の属人化が解消する

担当者しか手順を知らない業務が減ることも、共通する成果です。ハヤシでは配送計画の作成が、共和工機では営業担当者ごとの案件管理が、それぞれシステム上で共有されるようになりました。

属人化の解消は、担当者が休んでも業務が止まらない体制につながります。引き継ぎの負担が軽くなるため、人手が限られる企業ほど効果を実感しやすい部分です。採用が難しい状況が続くなかで、少人数でも回る仕組みを整える意味は大きくなっています。

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導入事例から見えた成功のポイント

販売管理システムの導入を成果につなげた企業には、進め方に共通点があります。検討を始める前に押さえておきたい3点を紹介します。

  • 現行業務の例外処理まで洗い出す
  • 標準機能で吸収できる範囲を見極める
  • 段階的に導入して現場の負担を抑える

現行業務の例外処理まで洗い出す

販売管理システムの導入まえに、現行業務の例外処理まで細かく洗い出しましょう。ヤマトの複雑な価格決定ルールや、クラウン製パンの給食特有の受注形態は、事前に整理されていたからこそシステムへ反映できました。

洗い出しの対象は、日常的に繰り返す処理だけではありません。特定の得意先だけ締め日が違う、繁忙期だけ承認を省略しているといった運用は、書き出さない限り要件から漏れてしまいます。現場の担当者に日々の作業を語ってもらう場を設けると、例外が表面化しやすくなります。

標準機能で吸収できる範囲を見極める

次に、自社の業務が標準機能にどこまで収まるかを見極めましょう。クラウン製パンは帳票を無理に統一せず、CSVで出力して各社が自社の様式に落とし込む方式を選びました。共同開発した2社で帳票の考え方が違ったためです。

すべてを作り込むのではなく、どこを標準に合わせ、どこを自社仕様にするかを線引きすることが費用と期間の抑制につながります。判断に迷う場合は、デモンストレーションで実際の画面を確認し、現場の担当者にも見てもらってください。選び方の詳細は販売管理システム×AIとは?自動化できる業務・導入メリット・選び方をわかりやすく解説でも解説しています。

段階的に導入して現場の負担を抑える

最後に、導入は段階的に進めましょう。ハヤシは配送業務の連携から着手し、Web注文への対応は次の段階と位置づけています。一度にすべてを入れ替えると、現場が新しい手順を覚えきれず定着しません。

優先順位は、もっとも困っている業務から決めていきます。受注入力に時間がかかっているなら受注から、在庫が合わないなら在庫からと、効果を実感しやすい領域を先に手がけると社内の理解も得やすくなります。切り替え時の注意点は基幹システムの入れ替え失敗事例と原因!企業が陥りがちな5つの落とし穴と対策もあわせてご覧ください。

販売管理システムの導入事例に関するよくある質問

検討の段階でご相談の多い疑問をまとめました。判断の材料としてお役立てください。

販売管理システムの導入にはどのくらいの期間がかかりますか

販売管理システムの導入にかかる期間は、おおむね数ヶ月から1年程度です。規模やカスタマイズの規模によって期間は変動します。

たとえば、標準機能を中心に扱う場合は短期間での導入が可能ですが、独自の業務要件が多いほど導入期間が長引きます。稼働させたい時期を決めて逆算し、要件の整理時間を確保してから導入計画を立てましょう。

中小企業でも導入できますか

中小企業でも販売管理システムの導入は可能です。

今回紹介した事例にも従業員100名以下の企業が複数含まれており、クラウド型を選べば初期費用を抑えて始められます。社内に情報システム部門がなくても、業務の流れを説明できる担当者を立てれば検討を進められるはずです。

既存の会計システムと連携できますか

多くの販売管理システムでは、会計システムとの連携に対応しています。

ただし、連携できる範囲や方法は製品ごとに異なるため、現在使っている製品名を伝えたうえで確認してください。連携の可否は稼働後の入力負担を左右するため、選定の初期段階で詰めておきましょう。

まとめ

販売管理システムの導入事例には、受注入力の削減、在庫の可視化、属人化の解消という共通した効果が現れています。一方で、効果の大きさは導入前の運用に左右されるため、自社と近い状態から出発した事例を選んで読むと参考になるはずです。

成果につながった企業は、現行業務の例外処理まで洗い出し、標準機能で吸収できる範囲を見極めたうえで、段階的に導入を進めていました。とくに流通・小売・卸売では、得意先ごとの単価設定や複雑な受発注といった商習慣をどこまで再現できるかが判断の中心です。

ブライセンの流通業向け基幹システム「基幹船」は、発注から仕入・返品、移動・廃棄、買掛・支払、棚卸までを標準で備え、売価・原価の予約や特売の管理にも対応した基幹システムです。タブレットを標準実装しているため、店舗での確認作業もその場で完結します。需要予測型自動発注のB-LuckスイートやCOOOLaとの連携も可能です。自社の商習慣に合った販売管理をかなえましょう。

詳細はこちらまでお問い合わせください。

お問い合わせ|流通業向け基幹システム「基幹船」|ブライセン

この記事の監修者

林 亨

林 亨

はやし とおる

株式会社ブライセン 物流流通本部 
流通営業部

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